HAPSが協力する展覧会のお知らせです。

概要

村田宗一郎 2会場同時個展
会場1 Women, Animals, and a Fence that parts self from others
日程:2020年9月4日—27日(金・土・日のみ)13:00〜19:00
会場:FINCH ARTS(京都市左京区浄土寺馬場町76)
入場料:無料
会場2 In Blue
日程:2020年9月4日—27日(金・土・日のみ) 13:00〜19:00
会場:kumagusuku SAS(京都市上京区椹木町通日暮東入中書町685-2)
入場料:無料

本展について

この度、FINCH ARTSとkumagusuku SASは、1985年生まれの美術作家・村田宗一郎による2会場同時個展「Women, Animals, and a Fence that parts self from others」と「In Blue」を開催します。即興的に描かれるドローイング、構築的な手技の積み重ねであるペインティング、ソリッドな質感を持つ立体作品、空間的なインスタレーションなど広範囲に及ぶ取り組みを扱い、作家の包括的な創作活動の展覧を試みます。
 東京芸術大学在学時よりジャンルレスな制作を行っていた村田は、特に直線的なドローイングとそれらを基点としたインスタレーションにより、作品世界に抒情的要素を織り交ぜ、
同世代の中でも「アートアワードトーキョー 丸の内2009」において審査員長谷川祐子賞を受賞するなどいち早くアーティストとしてのキャリアをスタートさせます。またアートを取り巻くコミュニティにも意識的であることから、2009年には拠点を京都に移し、複数のアーティストや建築家と共同スタジオを組織しました。その後は、国内外のグループ展に参加しながら、2013–16年にはキュレーターの遠藤水城がディレクターを務めるHAPS(東山アーティスツ・プレイスメント・サービス)のスタジオ使用者となるなど、関西を代表する若手作家として頭角を現します。本2会場同時個展は、2014年の初個展「May of Wives」以来約6年振りのホワイトキューブでの展覧会となります。まず「Women, Animals, and a Fence that parts self from others」(会場: FINCH ARTS)において、当作家が全てのクリエイションの核と位置付けるドローイングに焦点を当て、女性像や動物など描くことによって自発的に生成されるモチーフの存在と、その関係性を浮かび上がらせます。次いで「In Blue」(会場:kumagusuku SAS)では、 ペインティング、金属を用いた立体、音響など、個々の作品は独立しながらも、これまで村田がインスタレーションを手掛けることで培った審美性によって空間を構成します。
 村田の作品は、主題、扱われるモチーフ、各々のメディアの特性から、時として拡散的な作品として見られる一方で、たびたび表象される反復的な図像・モチーフの存在も見受けられます。本展覧会ではそうした収斂的な作品世界と多種多様な作品様相を並列させることによって、総体としての作家像を知る一助となれば幸いです。ぜひ、ご高覧ください。

作家について

村田宗一郎(むらた そういちろう)/Soichiro Murata
1985年生まれ。奈良出身。2009年東京芸術大学美術学部先端芸術表現科中退。以降京都、奈良を活動の拠点にする。主な個展に「I’ve telegraphed and phoned and sent an air mail」(HAPS、京都、2016)、「May of Wives」(YODOYA、京都、2014)、主なグループ展に「VOCA展2017 現代美術の展望─新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2017)「Rendez-vous 12」(South African National Gallery、ケープタウン、2012)などがある。三嶋一路とのユニットSoichiro&Ichiroの活動の他、なら100年会館初演のオペラ「遣唐使物語─名も無き民へのオマージュ─」(奈良、2016)では舞台美術を担当し、また自身が詩や小説の執筆も手掛けるなど多角的な創作を指針としている。