HAPSで協力しているイベントのお知らせです。
HAPSスタジオを使用しているアーティスト、井上亜美が参加するグループ展「コンニチハ技術トシテノ美術」がせんだいメディアテークにて2017年11月3日から12月24日まで開催されます。
概要
コンニチハ技術トシテノ美術会期:2017年11月3日(金・祝)~12月24日(日)11:00~20:00 保守点検日(1月から11月までの第4木曜日)休 / 入場料:一般500円(高校生以下無料)
会場:せんだいメディアテーク6階ギャラリー4200(〒980-0821 仙台市青葉区春日町2-1)
出展作家: 青野文昭、飯山由貴、井上亜美、高嶺格、門馬美喜
アクセス:
地下鉄
南北線勾当台公園駅下車、「公園2」出口から徒歩6分(約450メートル)。
東西線大町西公園駅下車、「東1」出口または「西1」出口から徒歩13分。
東西線青葉通一番町駅下車、「北1」出口から徒歩15分。
バス
仙台市営バス 仙台駅前-60番(仙台TRビル前、地下鉄仙台駅「中央2」出口前)のりばから「定禅寺通市役所前経由交通局大学病院」行き(系統番号がJまたはXで始まるバス)で約10分、メディアテーク前下車。
主催:せんだいメディアテーク(公益財団法人仙台市市民文化事業団)
企画:長内綾子(Survivart)、細谷修平、清水建人(せんだいメディアテーク)
後援:NHK仙台放送局、TBC東北放送、仙台放送、宮城テレビ放送、KHB東日本放送、河北新報社、朝日新聞仙台総局、産経新聞社東北総局、読売新聞東北総局、毎日新聞仙台支局、日本経済新聞社仙台支局、仙台リビング新聞社、せんだいタウン情報S-style、エフエム仙台、ラジオ3FM76.2
助成:一般財団法人 地域創造
協力:東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)、てつがくカフェ@せんだい
http://www.smt.jp/projects/artechnik/
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複雑な技術社会のなかで、わたしたちは、全容もわからないままに技術がつくるシステムによって暮らしています。便利で快適な技術に囲まれながら、同時に技術が生む破滅的な困難をも目の当たりにしていると言えるでしょう。原発事故を経験したわたしたちは、いま一度、自分の身体の範疇から技術を捉え直してもよいのではないでしょうか。
その一助となるのが芸術と呼ばれるものかもしれません。
芸術は、個人が社会のさまざまな局面と向き合いながら、なお前向きに生きていくために、身体によって開発した技です。ところが、わたしたちは、芸術を社会から切り離して特別視しながら、他方では商品や政策のように、現状肯定の手段としていないでしょうか。おそらく、技術と同時に芸術についての検証も必要なのです。そうすることで、いまの社会に切実な「生きる技法」が浮かび上がってくると思われます。
本展は5人の美術家が、語源を同じくする技術や芸術への考察をとおして、未知なるものや自然への畏怖心と、手探りのおかしみや人の技に宿るユーモアをあらわし、困難を抱えた社会のなかを積極的にさまようための術と活力をつたえようとするものです。
【関連イベント】※すべて申し込み不要
■ギャラリーツアー
メディアテークの学芸員や展示作家と一緒に展覧会を観るツアーです。
11月3日(金・祝)、11月11日(土)、12月9日(土)各14:00〜16:00
開始時間前に6階ギャラリー前にお集まりください。11月3日は展示作家が参加します。
展覧会チケット当日分の半券提示が必要です。
■トークイベント「コンニチノ技法」comos-tv 連携企画
「comos-tv」と連携し、現在の社会を生きるための探求としてのアートとはどのようなものか、せんだいメディアテークの活動を基軸として、参加作家や企画者とともに考える座談会を行います。
11月23日(木・祝)15:00〜17:30 会場:6階ギャラリーホワイエ 席数40席程度
出演:粟田大輔、藤井光(ともにcomos-tv)、参加作家および本展企画者
展覧会チケット当日分の半券提示が必要です。
comos-tvでインターネット中継予定
■てつがくカフェ「いま、技術を問い直す」
てつがくカフェ@せんだいと協働で実施する対話の場です。現在のわたしたちにとって技術とは一体どのようなものなのかについて「考えるテーブル」に集う人たちとともに考えます。
11月25日(土)15:00〜17:30 会場:6階ギャラリーホワイエ 席数40席程度
■ライブイベント
澁谷浩次が率いる在仙のバンドyumboのライブを行います。
12月16日(土)18:00〜19:00 6階ギャラリーホワイエ 席数50席程度
展覧会チケット当日分の半券提示が必要です。
出展作家
青野文昭|Fumiaki AONO
1968年宮城県仙台市生まれ。宮城教育大学大学院美術教育科修了。モノの持つテクスチャーや形態を手がかりに「なおす」をテーマとして、廃棄物や拾得物を用いた表現を行う。近年の主な個展に、「パランプセスト―記憶の重ね書き」(2015年、gallery αM )、「青野文昭個展」(2016年、ギャラリーターンアラウンド)、グループ展に、「いま、被災地から -岩手・宮城・福島の美術と震災復興-」(2016年、東京藝術大学大学美術館)、「Royal Academy of Arts Summer Exhibition 2016」(2016年、ロンドン)などのほか、あいちトリエンナーレ2013に出品。宮城県美術館、愛知県美術館、金沢21世紀美術館などにパブリック・コレクションがある。
飯山由貴|Yuki IIYAMA
1988年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科油画修了。記録物や出会った人へのインタビューなどを手がかりに、戦争やハンセン氏病など喪失や疎外を抱える社会と個人の内面とのつながりについてインスタレーションとして表す。主な個展に「Temporary home, Final home」(2015年、愛知県美術館)、「アーティストin六区2016 vol.1 生きている百物語」(2016年、瀬戸内国際芸術祭)。グループ展に「戦争画STUDIES」(2015年、東京都美術館)、「ありのままごと」(2016年、秋田公立美術大学ギャラリー BIYONG POINT)、「歴史する!Doing history!」(2016年、福岡市美術館)などがある。
井上亜美|Ami INOUE
1991年宮城県丸森町生まれ。京都造形芸術大学こども芸術学科卒業。東京藝術大学大学院映像研究科修士課程修了。在学中に狩猟をはじめる。現場でつぎつぎに起こる出来事をエスノグラフィックな視点で見つめ、自身が出演・演出・記録する手法で映像作品を制作している。近作に、都会で暮らす猟師の奇妙な生活を描いた≪猟師の生活≫(2016年)、震災後に猟をやめた祖父を追った≪じいちゃんとわたしの共通言語≫(2016年)などがある。「ULTRA AWARD 2016 ニュー・オーガニクス」(2016年、京都造形芸術大学)、「猟師の生活」(2017年、トーキョーワンダーサイト本郷)など。現在、第5期HAPSスタジオ使用者として京都在住。
高嶺格|Tadasu TAKAMINE
1968年鹿児島県生まれ。京都市立芸術大学工芸科漆工専攻卒業。IAMAS(国際情報科学芸術アカデミー)卒業。立体や平面の造形に留まらず、映像や身体など多様なメディアを用いて、現代社会の不条理をユーモアを交えながら批評的に表現する。近年の主な個展に、「[大きな休息] 明日のためのガーデニング1095㎡」(2008年、せんだいメディアテーク)、「とおくてよくみえない」(2011年、横浜美術館ほか)、「高嶺格のクールジャパン」(2012年、水戸芸術館)。また、数々の国際展や国内外のグループ展に出品している。1993年から1997年にかけて、パフォーマー/コラボレーターとしてダム・タイプで活動したほか、舞台美術を手がけるなど、ダンスや演劇とのコラボレーションも数多くある。
門馬美喜|Miki MOMMA
1981年福島県相馬市生まれ。東京造形大学絵画専攻卒業。2005年より中国美術学院大学及び中央美術学院に留学し、書と山水画を学ぶ。滞在中には中国大陸縦横断をしながら各地で制作を行う。2013年より震災の影響で断念していた美術制作を再開し、2015年11月に個展「Route 故郷/被災地に通う道」(ギャラリーなつか、東京)を開催。その後の出展に「Route/59ヶ月」(2016年、トーキョーワンダーサイト本郷)、「SICF18」(2017年)、グループ展に、「被災地からの発信 ふくしま3.11以降を描く」(2016年、福島県立美術館)がある。