ULTRA X HAPS TALK <現代アートで京都と世界をつなぐ>
現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
 京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか? 京都造形芸術大学とHAPS共催による「ULTRA×HAPS TALK」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
① ULTRA×HAPS TALKは、若手芸術家を応援する東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)の「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
② ULTRAは、超越的なクリエイティビティを求める京都造形芸術大学の「ウルトラファクトリー」に倣っています。
③ 京都造形芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

概要

日時:2016年8月4日(木)19:00-20:30
会場:京都造形芸術大学智勇館1階 http://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/campusmap/
* 英日逐次通訳あり
料金:無料(但し、要申込み)
定員:100名
主催:京都造形芸術大学大学院、東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
グリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフ(アーティスト、キルギス共和国)
『中央アジアの現代美術ーーポスト・ソヴィエトの文脈から』
ユーラシア大陸の内陸部にある中央アジア諸国では、複雑な社会背景からも力強い現代アートの実践を見ることができます。キルギス共和国ビシュケクを拠点に1998年からユニットで活動するグリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフは、国際的に幅広い活動を続ける一方で、次世代のための教育プロジェクトなども行っています。ULTRA×HAPS TALK002では、「ヴェネチア・ビエンナーレ中央アジア館」などを含む1998〜2008年の間の展覧会から、続くスクール・プロジェクトに至る彼らの実践を語ってもらいます。

プロフィール

グリナラ・カスマリエワ&ムラトベック・ジュマリエフ
グリナラ・カスマリエワ、ムラトベック・ジュマリエフともにキルギス共和国ビシュケク生まれ、同地在住。ソビエト時代にカスマリエワはモスクワで、ジュマリエフはサンクトペテルブルグで各々美術教育を受ける。1998年以降ユニットで活動。2005年には第51回ヴェネチア・ビエンナーレで初の中央アジア館に参加した他、シンガポール・ビエンナーレ(2006)、シャルジャ・ビエンナーレ(2007)、光州ビエンナーレ(2012)など国際展参加多数。2005年〜2008年には「ビシュケク現代美術展」を企画。2009年〜2012年にはビシュケクで現代アートのための学校を主宰。今年は「あいちトリエンナーレ2016」に出品している。

予約・お問合せ

申込み・問い合わせ先:ULTRA_HAPS@office.kyoto-art.ac.jp
*お申込みの際には、①氏名、②人数、③連絡先電話番号あるいはメールアドレス、④ご職業(学生の場合は大学名)を上記アドレスまでお送りください。