HAPSでは、2021年8月1日(日)より、河原功也の企画によるALLNIGHT HAPS 2021「彼は誰(かわたれ)の街に立つ」を開催いたします。
概要
ALLNIGHT HAPS 2021「彼は誰の街に立つ」会期:2021年8月1日(日)〜2022年2月5日(土)
企画:河原功也
出展作家:
#1 鈴木昭男《p i n t o 2021》
会期:2021年8月1日(日)~9月11日(土)※終了しました
#2 小川真生樹《今はここです、はいもう見えません》
会期:2021年9月18日(土)~10月30日(土)※終了しました
#3 村上慧《広告収入を消化する》
会期:2021年11月13日(土)~12月18日(土)※終了しました
#4 鬼海弘雄
会期:2021年12月25日(土)〜2022年2月5日(土)
展示時間:18:00〜9:30(翌日朝)
会場:HAPSオフィス1F(京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339)
主催:一般社団法人HAPS
支援:2021年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団
【Instagram】アカウント名:@kawatare_2021
こちらより定期的な情報発信を行います。あわせてご覧くださいませ。
関連イベント
【写真家・鬼海弘雄さんを語る】日時:2022年1月23日(日) 16:00〜17:00
登壇:いしいしんじ(作家)×吉田亮人(写真家)
進行:河原功也(ALLNIGHT HAPS 2021 キュレーター)
ライブ配信アーカイブ:https://www.youtube.com/watch?v=G4B4rB7sgT0)
「彼は誰の街に立つ」の最後を締めくくる鬼海弘雄展は、京都において鬼海作品を紹介する貴重な機会となっています。鬼海と長く親交があった作家のいしいしんじさん、京都を拠点に活動される写真家の吉田亮人さんに、写真家・鬼海弘雄について、また街の風景写真のシリーズについて語っていただきました。
●いしいしんじ
1966年大阪生まれ。2000年に初の長編小説「ぶらんこ乗り」発表。2003年「麦ふみクーツェ」で坪田譲治文学賞、2012年「ある一日」で織田作之助賞、2016年「悪声」で河合隼雄物語賞。その他の著作に、小説「トリツカレ男」「プラネタリウムのふたご」「よはひ」「マリアさま」など、エッセイに「その辺の問題(中島らもと共著)」「且坐喫茶」など。鬼海弘雄と長く親交があった。
●吉田亮人(よしだ あきひと)
1980年宮崎県生まれ。京都市在住。滋賀大学教育学部卒業後、タイで日本語教師として1年間勤務。帰国後諸王学校教員として6年間勤務。2010年より写真家として活動開始。広告や雑誌を中心に活動しながら、「働く人」や「生と死」をテーマに作品制作を行い国内外で高く評価される。写真集に「Brick Yard」「Tannery」(以上、私家版)、「THE ABSENCE OF TWO」(青幻舎・Editions Xavier Barral)などがある。2021年、写真家としての10年間の活動を綴った書籍「しゃにむに写真家」(亜紀書房)が刊行。日経ナショナルジオグラフィック写真賞2015・ピープル部門最優秀賞など受賞多数。http://www.akihito-yoshida.com
【鈴木昭男「点音」 in 六原学区・京都】
日時:2021年8月1日(日)〜2022年2月5日(土)
HAPSでの展示と並行して、【鈴木昭男「点音」 in 六原学区・京都】を開催中です。HAPSがオフィスを構える東山区六原学区にて、ある場所に佇んで周辺の音に感覚を開くシリーズ「点音(おとだて)」を実施しております。「点音」のポイントは、会場で配布しているマップに掲載しております。HAPSでの展示をご覧いただいた後は、ぜひ各スポットを訪れ、「点音」をご体験ください。
※「点音」ポイントは、一般の方の生活空間に隣り合って設置されています。HAPSオフィス以外のスポットについては、9:30〜19:00までの時間内にご鑑賞いただき、他の方のご迷惑とならないようご配慮をお願いいたします。
展覧会ステイトメント
薄暗く青い、張りつめた空気に満たされた明け方。まるで、そこにいるのは自分だけのように思えてしまう静寂の時間。「彼は誰=かわたれ」とは、その束の間のとき、世界と自分が向き合う場面を想起させる言葉です。「彼は誰」、つまり、その先に立つおぼろげな相手に「あなたは誰?」と問いかけ、関心を向けることも意味しています。今なお、集うことや移動すること、出会うことなど、身体を介した活動を行いにくい傾向にあります。ひとまとめに全てを同じように捉えることで誤解や障壁が生じることもあるでしょう。一方それらは、人への配慮や不可視なものへの想像力へと変貌し、これまでのような(もしくはそれ以上の)アクションを起こす原動力になるかもしれません。
この展覧会では、人間を取り巻く世界、生活環境、他者との間柄に対して独自の距離感と方法でコミュニケーションをはかってきた4名の作家に注目します。4名は個展形式で各会期に作品展示を行い、会場であるHAPSを起点に、街の中へ展開する作品もあります。彼らのアクションやその痕跡は、遭遇者にとっては時に異質であり、奇妙なものかもしれません。しかし、そのギャップとの予期せぬ出会いの中には、他者や不可視なものへ向かい、新たな時代へと進むためのヒントが垣間見えます。コミュニケーションの変化球を投げ続けてきた彼ら。そんな彼らの作品を通して、街や自然、生活、人間、そして自分自身に向き合う、そのような場面を用意したいと思います。
(本展キュレーター:河原功也)
アーティストプロフィール
●鈴木昭男(すずき あきお)1941年平壌生まれ、京都府在住。1963年、自然界を相手に「なげかけ」と「たどり」を繰り返す「自修イベント」開始以来、「聴く」ことを探求。1996年、街のエコーポイントを探る「点音」プロジェクトを開始。1987年「ドクメンタ8」(ドイツ)をはじめ、東京都現代美術館の常設展示など、世界各地の美術展や音楽祭への参加や演奏多数。
●小川真生樹(おがわ まいき)
2014年、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻壁画研究領域修士課程修了。2018年、個展「Plan 14」(あをば荘|東京)を開催し、2019年「3331 ART FAIR 2019」(アーツ千代田 3331 |東京)、2020年「it’ll be a frosty Friday それは冷ややかな金曜日になります」(3F/3階|東京)などに参加。
●村上慧(むらかみ さとし)
2011年、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。2019年「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.08/社会を解剖する」(高松市美術館|香川)などに参加し、2020年、個展「村上慧 移住を生活する」(金沢21世紀美術館|石川)を開催。著書に「家をせおって歩く」(福音館書店)など。
●鬼海弘雄(きかい ひろお)
1945–2020年、山形県生まれ。1973年より、東京・浅草寺で市井の人々のポートレート写真を撮りはじめる。1988年に日本写真家協会新人賞、2004年に第23回土門拳賞など、数々の写真賞を受賞。2011年、個展「鬼海弘雄写真展 東京ポートレイト 」(東京都写真美術館|東京)を開催。他、国内外での写真展に数多く参加。
企画者プロフィール
●河原功也(かわはら こうや)1991年東京都生まれ。キュレーター。2017年、京都市立芸術大学大学院美術研究科芸術学専攻修了。大学院修了後、アーツ千代田3331を経て、現在、東京都渋谷公園通りギャラリー学芸員。
企画趣旨
HAPSでは、2021年8月1日(日)より、河原功也の企画によるALLNIGHT HAPS 2021「彼は誰の街に立つ」を開催いたします。本企画は、京都ゆかりの若手企画者の養成を目的とした展覧会シリーズです。例年HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただく構成となっています。本年度より、ALLNIGHT HAPSはこれまで年間2名であった企画者を1名とし、展示の期間もこれまでより長期といたしました。今日の状況において、アーティストによる制作の成果を広く公開し様々な方にご覧いただくこと、またその任にあたる企画者にとって最適な形態とはどのようなものかを模索するなかで、より柔軟かつ的確なサポートとなるよう、この度の決断に至りました。
本年度の企画者である河原は、京都での学生時代より多数の展覧会企画を運営してきた実績を持ち、今後の活躍が期待される若手キュレーターです。今回の「彼は誰の街に立つ」では、他者あるいは世界に対して独自のアプローチを試みる作家が選定されました。ともすれば他者との交流が途絶えかねない昨今にあって、年代やメディアも様々な作家達とその作品が、夜間ガラスに隔てられたHAPSという場所とその周辺に、それぞれの方法で介入し、あるいは協働を行っていきます。新たなかたちでの「ALLNIGHT HAPS」の挑戦をぜひご高覧ください。
ALLNIGHT HAPSについて
本企画は、若手アーティストおよび若手キュレーターの養成を目的とする、年間2名の企画者による展覧会シリーズです。HAPSオフィスの1階スペースにて終夜展示を行い、道路からウィンドー越しに観覧いただきます。これまでのALLNIGHT HAPSアーカイブはこちらhttp://haps-kyoto.com/allnight-haps-archive/