《蜜月旅行》 2020、ポーラ美術館での展示風景 撮影:加藤健

GLOBAL ART TALK 036「再の差異、Reの話」by 荒木悠(アーティスト・映画監督)

彫刻に挫折し、翻訳業を廃業した末に辿り着いた映像インスタレーションを主な表現媒体とし、ここ15年ほど制作を続けてきました。当初パフォーマンスやアニメーションから出発した制作も16mmフィルムやSD/HDヴィデオといったレンズ・ベースの形態に変わり、シングル/マルチチャンネル、同期/不同期といった展開に加え、作品発表の場もギャラリーや美術館、映画祭からオルタナティブ・スペースまでと多岐にわたります。そんな一見捉えどころのない活動を、今回のアーティストトークでは「繰り返し」や「再び」を意味する英語の接頭辞「Re」を手掛かりに、「再現」「再演」「再生」といった3つの領域から紐解いてゆきます。また、本講演を機にあえて母語を封印することで、衰えつつある神経回路の再起を図ります。
(荒木悠)

概要

日時:2022年11月28日(月)19:00 〜 20:30
料金:無料(要申込み) 
会場:京都芸術大学 人間館地下1階 映像ホール&オンライン・トーク
※会場は、京都芸術大学学生・教職員に限ります。一般の方はオンラインでのご参加となりますのでご注意ください。
定員:500名
聞き手:大坂紘一郎
通訳:シュルツ マティユ

*新型コロナウィルス感染症予防対策のため、一般の方の参加はオンラインのみとします。また、社会情勢により開催を中止することがございますので、ご了承ください。

主催:京都芸術大学大学院、一般社団法人HAPS

チラシのダウンロード

講師プロフィール

荒木悠(あらき ゆう/アーティスト・映画監督)
米国ワシントン大学で彫刻を、東京藝術大学では映像を学ぶ。日英の通訳業を挫折後、誤訳に着目した制作を始める。近年の主な展覧会にシドニーオペラハウス(2021年)、ポーラ美術館(2020年)、資生堂ギャラリー(2019年)、アートソンジェ・センター(ソウル、2019年)など。上映は、ロンドンICA(2021年)、マルセイユ国際映画祭(2021年)、ロッテルダム国際映画祭(2018年、2020年)など多数。2017年に光州のアジアカルチャーセンター、2018年にはアムステルダムのライクスアカデミーにゲスト・レジデントとして滞在。2019年はフューチャージェネレーション・アートプライズのファイナリストに選出される。恵比寿映像祭2023「コミッション・プロジェクト」に参加予定。

申込み・お問合せ

お申込みフォームはこちら: 
京都芸術大学×HAPS グローバル・アート・トーク 036 申込フォーム
お問合せ先:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp

GLOBAL ART TALK by KUA x HAPS 

<現代アートで京都と世界をつなぐ>

現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。

GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する一般社団法人HAPSの「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
京都芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。

参考画像

《蜜月旅行》 2020、ポーラ美術館での展示風景

《HOME / AWAY》 2021–22、大阪中之島美術館での展示風景、撮影:小牧寿里