©菅かおる「水中トリップ 蝋燭の灯でみる水の絵」(Gallery Antenna, 2010)



HAPSが協力する展覧会のお知らせです。

概要

菅 かおる個展「光と海」
〔1期〕
会場:真宗佛光寺派 長性院(京都府京都市下京区新開町397−12)
会期:2019年10月5日(土)13時〜21時・6日(日)13時〜17時 
 *両日とも入場無料 *ニュイ・ブランシュKYOTO2019 参加プログラム
〔2期〕
会場:Gallery PARC(京都市中京区烏帽子屋町502)
会期:2019年10月11日(金)〜27日(日) 11時〜19時(金・土のみ22時まで)
 *月曜休廊 *入場無料 
【関連イベント(2期のみ)】
*「蝋燭の光による特別鑑賞」 金・土の20時〜22時
 会期中、毎週金曜・土曜のみの特別展示として、蝋燭の光による作品鑑賞をご体験いただけます。光によって異なる様相を見せる菅かおる作品や日本画の魅力をお楽しみください。(無料・予約不要)
*「トークイベント」 10月12日(土)18時〜19時半
 菅かおる(展示作家)・はがみちこ(本展企画者)・佐々木暁一(長性院副住職)によるトークイベント。長性院での展示の様子をはじめ、作品や空間・時間、「光」にまつわるそれぞれのお話を伺います(無料・予約不要)


本展について
ひそかにおもんみれば  難思の弘誓は難度海を度する大船 無碍の光明は無明の闇を破する慧日なり
親鸞『顕浄土真実教行証文類 序』
 「光」と「海」は、浄土真宗の宗祖・親鸞にとって、ことさらに特別な意味を持ちます。遮られることのない不思議な光は、一切の生き物をあまねく救う阿弥陀如来の願力の象徴です。「南無阿弥陀仏」は「南無不可思議光如来」であり「帰命尽十方無碍光如来」であり、あたかも光に向けられた信仰かのようです。流罪を経験した親鸞の海は、さらに重層的です。「難度海(渡り難い海)」「群生海」「本願海」「大宝海」--無数に群がり生きるこちらの世界と、救いの法の満ちるあちらの世界を同じ相に置くものが、海だといえるでしょう。  本展では、寺院という宗教空間とギャラリーという中立空間を会場とし、菅かおるの二つの個展をおこないます。日本画の技法を用いる菅は、古来からの絵画の受容に倣って蝋燭の灯りで展示をおこなうなど、これまでも、絵画と光の関係に注意を払って実験を続けてきました。特に、光の状況により大きく表情を変える金箔の扱いに意識を向けています。絵画や飾り、光の効果などで空間を異化し、意味性を付与する効果を仏教では「荘厳」と呼びますが、菅の参照するような伝統的鑑賞における絵画は、空間作用の機能をともなうものでした。
 信は荘厳なり。「光」と「海」をモチーフとし、試みに、絵画を荘厳のための「装置」としてみます。同じ絵を、別様の空間で、別様の光源で展示するとき、どのような作用が働くでしょうか。揺らぐ炎の光、移ろう太陽の光。水面や深海を描く水の画家とともに、絵画を「作品」として照らし出す展示用照明から解放します。
企画:はが みちこ
主催:うみをめぐる会
共催:真宗佛光寺派 長性院、Gallery PARC  
協力:一般社団法人HAPS、有限会社 中村ローソク
助成:京都府文化力チャレンジ補助事業
web:http://nuitblanche.jp/schedule/choshoin.phpm

アーティストプロフィール

菅 かおる
2000年 京都造形芸術大学美術科日本画コース卒業。千住博に師事。 主な受賞に2012年康耀堂美術館賞、2015年 琳派400年記念新鋭選抜展優秀賞受賞 等。 主な個展に、2010年「水中トリップ 蝋燭の灯でみる水の絵」(Gallery Antenna・京都)、2014年「アクロス・ザ・ユニバース」(Gallery PARC・京都)、 2015年「secret place」(新生堂・東京)、2018年「環の中の永遠」(Gallery Seek・東京)等。主なグループ展参加に、2011年「グループホライゾン」(高島屋)、2012年「アブストラと12人の芸術家」(大同倉庫・京都)等。