東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)では本年度、「文化芸術による共生社会実現のための基盤づくり事業」を京都市より受託しています。本事業では、文化芸術の力を活用し、社会的課題を抱えた方も含めた様々な人の社会参加の機会を増やし、その困難の緩和や解決につなげることを目的としたプロジェクトを企画・実施しています。 
この度、その一環として、文化芸術による社会包摂の取組の実例を広く発信し、その効果を検証するモデル事業となる【ノガミッツ プロジェクト】を実施いたしますので、お知らせいたします。
【ノガミッツ プロジェクト】は、アーティストの山本麻紀子氏が、本事業コーディネーターのあごうさとし氏らとともに、地域の高齢者福祉施設「東九条のぞみの園」を訪問し、利用者や職員の皆様と対話を重ね構想した、施設利用者や職員の皆様、地域の皆様と協働する2つの取組(「ノガミッツ ガーデン」/展覧会「いつかの話 あの人の風」)の総称となります。

ノガミッツ

[dropcap color=green]1[/dropcap] 「ノガミッツ ガーデン」
東九条のぞみの園の中庭がより開かれた場になることを目指し、地域の方々に持ち寄ってもらう「おすそわけ」の植物を使用して、職員・利用者と共に、庭づくりを行います。
※のぞみのその→「の」が3つ→ノガミッツ から山本麻紀子氏が名付けました。
・みんなでお庭づくりの日
日時:2019年2月24日(日)14:00〜16:00 申込不要
会場:東九条のぞみの園1階 中庭(京都市南区東九条西岩本町1-1)
[dropcap color=green]2[/dropcap] 展覧会「いつかの話 あの人の風」
アーティストの山本麻紀子氏が東九条のぞみの園を訪問し、入居者の方々との対話をもとに制作した作品の展覧会を開催します。
会期:2019年2月17日(日)~24日(日)
時間:13:00~19:00
会場:元山王小学校 北校舎1階 教室(京都市南区東九条東山王町27)
入場料:無料(直接会場へお越しください)
・トークイベント
日時:2019年2月23日(土)15:00〜16:30
入場料:無料(直接会場へお越しください)
会場:京都市地域・多文化交流ネットワークセンター内 希望の家ホール(京都市南区東九条東岩本町31)
登壇者:西川勝(臨床哲学者)、小笠原邦人(東九条のぞみの園施設長)、山本麻紀子(アーティスト)
司会:あごうさとし(本事業コーディネーター)
主催:京都市
企画・制作:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)

プロフィール

●山本 麻紀子(やまもと まきこ)
1979年京都市生まれ。京都市立芸術大学・大学院 絵画専攻 構想設計修了。ある特定の場所のリサーチを通して観察や考察を続け、常識や習慣など日常の中で見過ごされている事柄や疑問を糸口にして、他者とのコミュニケーションを発生させるプロジェクトを行う。その一連の過程を、写真、映像、ドローイングなど様々な形式に展開させて作品制作を行っている。
●あごう さとし
劇作家・演出家・(一社)アーツシード京都代表理事。「複製技術の演劇」を主題にデジタルデバイスや特殊メイクを使用した演劇作品を制作する。2014−2015年文化庁新進芸術家海外研修制度研修員として3ヶ月パリに滞在。2019年の開館をめざして、東九条の新しい劇場「Theatre E9 Kyoto」建設プロジェクトを進めている。平成29年度京都市芸術新人賞。
●小笠原 邦人(おがさわら くにと)
 総合福祉施設東九条のぞみの園施設長。大学卒業後、一般企業に就職するが、1994年より特別養護老人ホームのアルバイト職員として介護福祉の世界に入る。約5年間、介護職員としてケアワークを実践した後、老人保健施設の支援相談員や在宅介護支援センターの相談員を経て、2006年に東九条のぞみの園に入職。のぞみの園では、地域包括支援センターで主任ケアマネージャー・社会福祉士を担い、2014年より東九条のぞみの園施設長に就任する。
●西川 勝(にしかわ まさる)
臨床哲学者。1957年大阪市生まれ。看護師として長年勤めた経験をもつが、一方で哲学への想いやまず、40代には社会人として大阪大学で臨床哲学を学んだ。後、大阪大学コミュニケーションデザイン・センターの特任教員として11年間、臨床コミュニケーションの研究教育に携わった。現在は大学を離れ、社会の現場で臨床哲学のプレイヤーとして活動中。主な著書に、『ためらいの看護』(岩波書店)、『となりの認知症』(ぷねうま舎)などがある。

お問合せ

東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
Eメール:info@haps-kyoto.com / TEL:075-525-7525 / FAX:075-525-7522

京都市「文化芸術による共生社会実現のための基盤づくり事業」

文化芸術の力で社会的課題の緩和・解決に取り組む多くの活動事例を踏まえ、文化芸術と社会課題をつなぎ、コーディネートするための人材や、文化芸術の取組に着手しようとする際の相談先窓口の在り方などの企画・準備を行い、2019年度以降の本格的な事業開始につなげていくことを目的とする事業。本事業の中のモデル事業として【ノガミッツ プロジェクト】を実施している。