HAPSスタジオ使用者、マイケル・ウィッテルの個展が開催されます。

概要

特別展「思考の肖像」-美術と科学のダイアグラム-
日時:2018年12月19日(水)〜2019年2月3日(日)9:30〜16:30 ※入館は16:00まで
会場:京都大学総合博物館 2階企画展示室 〒606-8501 京都市左京区吉田本町
休館日:月・火曜日(平日、祝日にかかわらず)/年末年始(12月28日〜1月4日)
料金:一般400円/高校・大学生300円/小・中学生200円
・障害者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1人、70歳以上の方は無料(要証明)
・本学学生、教職員無料(学生証等をご提示ください)
・団体観覧料(20名以上の場合)一般 300円/高校・大学生 200円/小・中学生 100円
・団体20名につき、引率者1人分の観覧料が無料になります。
詳細:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/social/events_news/department/sougou/events/2018/190203_1600.html
主催:京都大学総合博物館
協賛:公益財団法人 テルモ生命科学芸術財団
助成:一般財団法人 中辻創智社
協力:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)/京都大学高等研究院 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)

概要

ダイアグラム(図式)はパワフルな古代からのツールであり、石器時代から現代の情報化時代まで、人類史の形成に貢献してきました。人類初の洞窟に描かれた地図は、人類初の文字の誕生時点からさらに5倍も昔にさかのぼれることがわかっています。長い年月を経てダイアグラムは科学的な進化の機動力としてだけではなく、科学の視覚言語そのものとして発展を遂げてきました。アーティストたちも、最も重要かつ挑戦的な作品への高みを目指すために、積極的にダイアグラムを制作に取り込んできた経緯があります。それはダヴィンチのノートやデュシャンの 「大ガラス」、荒川修作とマドリン・ギンズの「意味のメカニズム」シリーズ、ソル・ルウィットの壁画などに影響を与えてきたことを見ても明らかです。
今回の展覧会「思考の肖像」では、イギリス出身のアーティストであり、ダイアグラム研究者でもあるマイケル・ウィッテルが収集した、科学数学分野における意欲的かつ創造的で神秘的なダイアグラムのコレクションを展示します。
展示作品は、ルネッサンス期の人類の叡智の木の図から、近年発見された神の粒子(ヒッグス粒子)や時空創生期を物語るビッグバンのエコーの図まで、ありとあらゆるダイアグラムの多彩なコレクションです。これらのダイアグラムは、人類に内在する、世界を知ろうとする力を喚起することでしょう。
これと並行して、ウィッテルの作品である現代美術と科学の融合を表現したダイアグラム的ドローイングのシリーズも展示されます。作品のいくつかは、彼が京都大学iCeMSの研究室を訪問した経験を経て制作されたものです。
この展覧会は、科学者達と最新の科学研究や発見について語り、疑問を投げかけながら、彼がアーティストとして追求してきた成果でもあります。彼が提案する新規テーマ「空想主義的客観性に基づく科学的詩学」(romantic–objective poetics of science) の成果を大いに体感することができます。
展覧会プログラム
12月22日(土)セミナー/40分の作家講演会
1月19日(土)アーティストトーク

作家プロフィール

マイケル・ウィッテル(Michael Whittle)
ウィッテルは美術を専攻する以前、生化学者として研究に従事していました。ロイヤルカレッジオブアートの修士課程中に日本最古の美術大学である京都市立芸術大学へ奨学金留学し、その後は文部科学省特待生奨学金制度によって再度来日しました。そして、京都市立芸術大学にて学位を取得しました。博士論文のタイトルは「空想主義的客観論:現代美術におけるダイアグラム的に思考」(Romantic Objectivism: diagrammatic thought in contemporary art)です。この論文により彼はダイアグラムファインアートという全く新しい分野を開拓し、アートと科学をつなぐ哲学的、記号論的、審美的つながりを提示することになります。
最近ではMIT Pressの雑誌「レオナルド・マガジン」の2018年におけるアート&サイエンス最優秀トップ10に選ばれ同論文が掲載されています。現在ウィッテルは京都を拠点として国際的な芸術活動を続けています。