GA TALK 009「キュレーティングはジャーナリズムか、それともストーリーテリングかフィクションか?」
サスキア・ボス(美術史家/インディペンデント・キュレーター/批評家)
「アーティファクトによって、私たちは美学用語で呼称されるところの芸術の変革を提示し、あるいは哲学的概念を例証する強力なナラティブを生み出すことができます。私にとってキュレーティングとは、むしろドキュメンタリーな実践であり、それゆえに、私の芸術に関する関心、および芸術と政治的・社会的現状との関わりによって決定づけられるところが大きいのです」(サスキア・ボス)
グローバル・アート・トーク 009では、エコロジーやホームレス、移民といった時事問題を扱いながら、地政学や検閲、社会批判としてのアーティストの立ち位置に関心をもってこられたボス氏をお迎えし、これまでに関わられた幾つかのプロジェクトをご紹介いただきます。「(それら過去の実践は、)まさにクールベの金言『時代とともにあれ』に体現されるように、今もなお現在の私たちに直結する課題を提示するものです」と語るボス氏のご経験についてお話をお聞きします。
概要
日時:2018年5月7日(月) 19:00-20:30会場:京都造形芸術大学人間館 NA102教室
https://www.kyoto-art.ac.jp/info/about/access/
料金:無料(要申込み) 定員:100名
※英日逐次通訳あり
主催:京都造形芸術大学大学院、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
講師プロフィール
サスキア・ボスアムステルダムに拠点を置く、美術史家、インディペンデント・キュレーター、批評家。アムステルダムのデ・アぺル・アート・センターにてディレクター兼キュレーターを務めた後、ニューヨークのクーパーユニオン大学芸術学部学部長に就任。1996年以降、精力的に日本人アーティストの招聘を行う。現在もニューヨーク、ジャパン・ソサエティの理事を務めており、日本への関心は高い。国際美術館会議(International Committee for Museums and Collections of Modern Art: CIMAM)理事、欧州文化協会(the Société Européenne de la Culture: SEC)会員、国際美術評論家連盟(the international art critics association:AICA)会員。
申込み・お問合せ
申込み・問い合わせ先:GLOBAL_ARTTALK@office.kyoto-art.ac.jp*お申込みの際には、①氏名、②人数、③連絡先電話番号あるいはメールアドレス、④ご職業(学生の場合は大学名)を上記アドレスまでお送りください。京都造形芸術大学の学生の方は学籍番号も添えてください。
GLOBAL ART TALK By KUAD x HAPS
<現代アートで京都と世界をつなぐ>現代アートを取り巻く環境は、この数十年で飛躍的に複雑化し、そのなかでアーティストとしてグローバルに活躍する道を模索することは容易ではありません。世界各地で同時多発的に生産される芸術の概況を把握することは、もはや不可能といって良いでしょう。とりわけ、経済成長と近代化の進む近隣アジア諸国では、新しい美術館の創設やアートフェア、国際展の隆盛など発表の機会も拡大し、世界からこの地域に向けられた注目も高まっていますが、すでにアートを取り巻くインスティテューションとしては整備を終えた感もある日本では、むしろ制度化の再考、アーティストの社会的役割、グローバルなネットワーク構築などが改めて問われているといえるでしょう。
京都では、多くの芸術系大学から毎年新しいアーティストが輩出されていますが、日本の伝統文化の中心地でもある街から、このように複雑化した現代アートの世界と、今日、どのようなつながりを見出すことができるのでしょうか?京都造形芸術大学とHAPS共催による「グローバル・アート・トーク」では、世界各地で活躍するアーティスト、キュレーター、コレクター、研究者、ギャラリストなどを招聘し、対話を積み重ねていくことで、世界を実感し、理解を深めていきたいと考えています。
*GLOBAL ART TALKは、若手芸術家を応援する東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)の「キュレーター招聘プログラム」の一環です。
*京都造形芸術大学では、京都を拠点に現代アート界でグローバルな活躍をめざすアーティストの育成機関を将来に見据えています。