川田淳の映像作品「終わらない過去」を京都、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)にて上映します。
本作品「終わらない過去」は、アーティストの川田淳が、沖縄県で50年以上もの間、戦没者の遺骨及び遺留品の収集作業を続ける男性と出会い、その作業を手伝うことから始まった物語です。上映後はアフター・トークを行います。
「終わらない過去」WEB:
http://owaranaikako.wix.com/junkawada

開催概要

川田淳「終わらない過去」上映会
日時:2016年4月14日(木)19:00〜21:30
会場:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)
住所:京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339
アクセスはこちらをご確認ください
料金:500円
主催:川田淳、居原田遥
協力:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス

問い合わせ

owaranaikako@gmail.com

プロフィール

川田淳 KAWADA Jun
1983年埼玉県生まれ。2007年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。IKEA等の商業施設でその場にある商品を用い、ゲリラ的に作品を制作し発表するものや、マクドナルドで何も注文せずに店員をただ60秒間見つめる作品、福島の帰宅困難区域で花を摘み、それをミッキーマウスにプレゼントしに行く作品等、自身の行為を記録したものを主に映像作品として発表している。主な個展に「ケンナイ」(広島芸術センター、広島、2013年)、「まなざしの忘却」(22:00 画廊、東京、2012年)。近年では他に「DMZ Pilgrimage」(South Korea DMZ Piece-Life Hill、韓国、2015年)、「When the Wind Blows / 風が吹くとき」(Millennium Court Arts Centre、北アイルランド、2015年)、「Screen」(HIGURE 17-15cas、東京、2014年)などに参加。
居原田遥 IHARADA Haruka
1991年沖縄県生まれ。沖縄やアジア圏の芸術、オルタナティブ・カルチャーを関心の主軸とし活動。作家のコーディネート、イベント・展覧会のディレクション、キュレーションを行う。主な活動に「寄り道キャラバン」プロジェクト・コーディネーター(2015、アジア7都市)。前橋映像祭事務局(2014~、群馬)。「反戦 来るべき戦争に抗うために」展(2014、東京)運営。柳井信乃個展「うつし身- Ghost Shelf」(2014、千葉)企画。

コメント

川田淳「終わらない過去」に寄せて
陽の光が一切届くことのない暗闇の中、
彼は懐中電灯一本の光を頼りにラジオをかけながら作業をする。
ノイズ混じりのその音がここがどこか遠くであると知らせてくれる。
遠いから見えない、聞こえない、知らない。
その遠さを言い訳に忘れていくのか。
どこにいたって世界は遠い。
誰かを忘れ、誰かに忘れさられ、全てが遠くなっていく。
彼は戦没者を堀り続ける。
僕がこの文章を書いている時も、あなたがこの文章を読んでいる時も。
そんな遠くの風景を忘れないでほしい。
生まれ、生きて、死ぬ。死んだら終しまい。
いや、違う。
死が人を繋ぐ。死んでも終わらない。
あなたが忘れぬ限り。
川田淳
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戦後70周年を迎えた2015年。
「戦争」をキーワードに揺れ動く政治、そして呼応する民主化運動。しばしの平穏を生きてきた私たちとって、緊張した空気に危機感を覚えた1年だったのではないでしょうか。
沖縄県では、辺野古海上米軍基地移設問題が緊迫した局面を迎えました。基地建設を強行する政府に対し、翁長県知事を筆頭に、反対の声を強く挙げる人々。マスメディアやネットを介し、情報として伝わるその沖縄の姿とは、切迫する時代の象徴のように映るかもしれません。
 
時にアート、表現とは、この時代の出来事をいかに映し、記録するのでしょうか。またアーティストとは、表現者として現実を捉える人とは、その行為を通じて、誰に対し、どのような意味をもたらすのでしょうか。
沖縄では今もなお、「終わらない過去」が続いています。
70年も前に終わったはずの沖縄戦。怒りや悲しみ、諦念と憂苦。この歴史上の出来事が生んだあらゆる感情が消えることはありません。
本作品「終わらない過去」は、川田淳が、沖縄県で50年以上もの間、戦没者の遺骨及び遺留品の収集作業を続ける男性と出会い、その作業を手伝うことから始まった物語です。
 ある時、男性は川田に名前が刻み込まれた遺留品を見せます。そして刻まれた名前をもとに、遺族を探し出してほしいと依頼しました。
切迫する時代の現在、「終わらない過去」が続く未来へ。
あなたの「解答」を求めます。
居原田はるか

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