【会期延長のお知らせ】京都市 文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業 モデル事業「タイルとホコラとツーリズム」Season8 七条河原じゃり風流

HAPSは2019~2020年度にかけて「京都市 文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業 モデル事業」の一環で、崇仁およびその周辺エリアにて、アーティストとともにプロジェクトを行なっています。高齢者が多く居住し、2023年度に京都市立芸術大学が移転予定である同地域の風景は、現在大きく変わりつつあります。本事業は、長い時間をかけて育まれてきた地域固有の文化や、新型コロナウイルス感染拡大下での地域や社会の状況に応答するように展開してきました。

「タイルとホコラとツーリズム」とは、京都市内に点在する路傍祠のリサーチをきっかけに、美術家の谷本研と中村裕太が2014年より展開するプロジェクトです。ホコラにまつわる土着の信仰や人々の営みに向き合い、観光のまなざしと独自のユーモアを交えて作品を生み出してきました。近年は京都から各地へ飛び出し、再び京都へ戻ってきました。

 今回、アーティストたちは、この地域の「労働」と「祝祭」というものに目を向けました。特に、明治期に旧柳原尋常小学校(元崇仁小学校の前身)の建設に際して、住民が一体となり、鴨川の砂を運んで建設用地を整備した「砂持ち」に関心を寄せます。当時の住民は仮装などを交えて、砂を運ぶという労働を祝祭にかえていました。また、この地域にはたくさんのお地蔵様のホコラがあり、夏の祝祭的行事とも言える地蔵盆には住民が集い、地域の心の拠り所にもなってきました。それらのお地蔵様の一部は高齢化や新たな市営住宅の建設、近年の新しいまちづくりの中で地域内を移動し、一部のお地蔵様はお寺へおさめられました。

 このプロジェクトでは、変わりゆく地域のなかで、砂持ちやお地蔵様にまつわる逸話を伝える「かわら版」を発行します。毎号の誌面には、アーティストたちが河原より黙々と運んだ砂利を用いて描かれていくお地蔵様の顔が掲載されています。そうして制作されたかわら版を、発行毎に崇仁学区の全戸へお届けし、地域内の公共施設や飲食店で掲示・配布いたします。土地の記憶や、そこで生きる人の営み、アーティストの表現が結びつき生み出されたメディアは、少しずつ新たなつながりを生み出していくことでしょう。また、地域内にある市民活動センターの外壁には、制作したお地蔵様を大きな幕としても展示しています。かわら版とともに、街角に現れるお地蔵様の姿もぜひご覧ください。

撮影:麥生田兵吾

※制作場所の砂場は、住民の方へ配慮し一般公開していません。

 
●概要
展示会期:2021年3月20日(土)〜4月2日(金) 4月下旬に号外を発行し、展示を5月5日(水)まで延長します。
展示場所:下京いきいき市民活動センター 〒600-8207 京都府京都市下京区上之町38番地 MAP
https://www.shimogyo-ikik.net
開館時間:10:00〜21:00(日曜日は10:00〜17:00)/火曜日休館/最終日は16:00まで
主催:一般社団法人HAPS
協力:京都市下京・東部地域包括支援センター/下京いきいき市民活動センター/崇仁デイサービスうるおい/崇仁まちづくり推進委員会/柳原銀行記念資料館
 

プログラム

かわら版の発行と掲示

地蔵盆や地蔵祠について地域の方から伺ったお話をもとに制作した「かわら版」を発行いたします。かわら版を手に、周辺の地蔵祠を巡ってみてください。
※地域を散策する際は、住民の方へ配慮の上、市営住宅など住民が生活する建物内には立ち入らないようお願いします。

・かわら版の発行日
その一 2021年2月28日(日)「かわら版発行の辞」(砂持ちについて)
その二 2021年3月6日 (土)「崇仁学区のお地蔵様」(地蔵祠分布図)
※その二の裏面につきましては現地でのみ配布しております。
その三 2021年3月13日(土)「お地蔵様は移動する」(青いモザイクタイルのホコラ)
その四 2021年3月20日(土)「労働と祝祭」(じゃり持ちすごろく)
号外  2021年4月29日(木) 発行予定

かわら版の配布拠点
下京いきいき市民活動センター1F

その他配布場所
崇仁学区の施設・飲食店など。学区内にお住まいの方には、発行毎にご自宅のポストにお届けしています。
 
 

崇仁のお地蔵様の幕とかわら版の屋外掲示

鴨川の七条河原より「じゃり持ち」を行ない、崇仁学区のお地蔵様の顔を、崇仁市営住宅の砂場に描き出しました。制作したお地蔵様の顔は、大きな幕として屋外にて公開します。
場所:下京いきいき市民活動センター 外壁
※制作場所の砂場は公開しません。
※鴨川の砂利は、京都府の許可を得て一時借用しています。

アーティストプロフィール

谷本研(たにもと・けん)+中村裕太(なかむら・ゆうた)
谷本研(1973年神戸生まれ、滋賀県在住。1998年京都市立芸術大学大学院美術研究科造形構想修了)と中村裕太(1983年東京生まれ、京都府在住。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了。博士[芸術])によるゆるやかなユニット。街中に点在する路傍祠やそこに使用されるタイルに着目した「タイルとホコラとツーリズム」(Gallery PARC、京都、2014年)を出発点に、東シナ海を取り囲む対馬・沖縄・台湾・済州島にみられる土着信仰のツアー記録を作品化した「season4《一路漫風!》」(京都芸術センター、2017年)、明治期に広島からの入植によって生まれた北海道北広島と広島との関係を扱った「season6《もうひとつの広島》」(広島市現代美術館、2019年)などがある。

「京都市 文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」について

京都市では、文化芸術の力で社会的課題の緩和・解決に取り組む多くの活動事例を踏まえ、文化芸術と社会課題をつなぎ、コーディネートするための人材育成(連続講座「文化芸術による共生社会実現のためのアーツマネジメント入門」| http://haps-kyoto.com/am_2020/) や、文化芸術の取組に着手しようとする際の相談窓口(Social Work / Art Conference | http://haps-kyoto.com/swac/)の設置など、文化芸術による共生社会を実現するための取組として、「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」を実施しています。本プロジェクトは、文化芸術を通して、多様な背景を持つ人がともに生きる社会のあり方を探るモデル事業の一環で企画・実施しています。

モデル事業の過去のプロジェクトについては、以下をご参照ください。

・「はじめまして こんにちは、今私は誰ですか?」
http://haps-kyoto.com/kurata/
・展覧会 山本麻紀子「いつかの話 あの人の風」
http://haps-kyoto.com/stories_breathoflife2019/

お問い合わせ先

一般社団法人HAPS (担当:石井)
〒605-0841 京都市東山区大和大路通り五条上る山崎町339
メール:info@haps-kyoto.com TEL 075-525-7525 FAX 075-525-7522
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※スケジュール、プログラムは予告なく変更する場合があります。
※会期中のイベント等に関しましては展覧会ウェブサイト、HAPSのSNS等を通じて順次お知らせいたします。
※新型コロナウィルス感染症の拡大により、HAPSは現在在宅勤務を推進しております。お電話での問い合わせの場合、担当者からの回答に時間がかかることがございますので、予めご了承ください。




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