法律家と一緒に考える、最近の芸術関連事件・表現規制

概要
法律家と一緒に考える、最近の芸術関連事件・表現規制

 

芸術分野をサポートするボランティア法律家団体「Arts and Law」では、2013年にHAPS PRESSで「芸術判例集 美術表現に関わる国内裁判例25選」を発表し、また2014年にはArts and Lawメンバーの作田知樹が「美術表現に関わる近時の国内規制事例10選(1994-2013)」を執筆しました。

それから5年が経過し、裁判例・表現規制事例のいずれについてもその後様々に追加すべき事例がでてきています。

今回はArts and Lawから2名(共同代表理事でもある藤森純弁護士と、規制事例集の執筆者でありファウンダーの作田知樹行政書士)が、これらの新しい事例について法的な分析を交えて紹介したのちに、会場にいらっしゃる方と関連する話題について情報交換の時間を設けたいと思います。

 

裁判例:
「ろくでなしこ事件」や「タトゥー裁判」、「大阪ダンスクラブ事件」のように判決に至ったもの、そのほかまだ係争中の事件として「金魚電話ボックス」の事件や「ブラックボックス展」、会田誠氏のレクチャーに関する学校側の責任が問われた事件、ルイ・ヴィトンのリメイク業者への勝訴やシャネル柄ネイルアート業者の逮捕など。

海外の事例でも、「5 Points」のグラフィティを取り壊した業者への賠償命令や、H&Mがストリートアートは著作権法の運用外と訴えた裁判を取り下げた事件などがありました。

また上記の国内事例を考える際も、ルイ・ヴィトンがアーティストに逆転敗訴した2011年のEUの事例なども合わせて知っておくのが有益です。

 

表現規制事例:
愛知県美術館の「これからの写真」展への警察の介入の事件をはじめ、都現美での「キセイノセイキ」展や会田誠の「檄文」事件、沖縄での岡本光博作品撤去事件などの最近の事件を紹介しながら、ハンスハーケのスラム作品事件*のような、古い事例でもアーティストやキュレーターによく知られた事例を共有したいと思います。

 

*「Shapolsky et al. Manhattan Real Estate Holdings, a Real-Time Social System, as of May 1, 1971」これはニューヨークのスラム街に広大な土地を保有するHarry Shapolskyという不動産王の利害関係者がグッゲンハイム美術館の理事をしていることに対して、グッゲンハイム美術館でのハーケの個展で、この人物の20年間にわたる不正疑惑のある不動産売買記録を公文書から調べ上げ、写真、地図、不動産のファクトシートなどを淡々と展示したもの。しかしこの作品を展示しようとしたところ、騒動となり、個展が中止になったばかりでなく、担当学芸員が解雇されることになった。この作品は現在同じニューヨークにあるホイットニー美術館に所蔵されている。

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日時:2019年6月19日(水)18時30分−20時30分
会場:東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS) (京都市東山区山崎町339
参加費:500円(資料代)
定員:20名(要事前予約)

予約フォームはこちら
https://form.run/@AL0619
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藤森 純 (ふじもり・じゅん)
弁護士。東京スプラウト法律事務所代表。Arts and Law代表理事(共同代表)。得意分野はアート・エンターテインメント法務、不動産法務など。クリエイターや表現活動に関わる方々が直面する法的な問題の解決方法を共に考え、表現行為を実現するお手伝いをするために日々奮闘中。クラブとクラブカルチャーを守る会の事務局長として風営法改正のロビー活動に携わったり、ベーシストとしてバンドで活動したり、ライブイベント等の企画運営をしたり、様々な形でカルチャーに関わる活動を行っています。

 

作田 知樹 (さくた・ともき)
Arts and Lawファウンダー。京都精華大学非常勤講師。国内外の文化芸術支援の組織で、主に視覚芸術分野の支援業務に従事してきました。また行政書士でもあります(作田行政書士事務所 Arts and Considerations代表)。得意分野は美術館・美大・アートセンター・芸術祭に関わる法務支援です。また日本と米国の文化政策を研究しています。芸術セクター内で起きた規制・検閲の事例と現場レベルでの対抗・抵抗策について関心を持ち、それらを適切な形で共有して次世代に引き継ぐ方法を模索しています。

 

 

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