平成29年 春季企画展 「角屋の障子と明かり展」

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開催情報

【期間】3月15日(水)~7月18日(火)
【開館時間】10:00~16:00
【休館日等】月曜日(祝日の場合翌日)
【料金】一般1000円、中・高生800円、小学生500円(2階の特別公開料金を除く)

http://sumiyaho.sakura.ne.jp/page/art_museum.html

会場

会場名:角屋もてなしの文化美術館 
webサイト:http://sumiyaho.sakura.ne.jp/index.html
アクセス:〒600-8828 京都市下京区西新屋敷揚屋町32
電話番号:075-351-0024
開館時間:10:00~16:00
休館日等:月曜日(祝日の場合翌日)

概要

来る3月15日(水)から7月18日(火)まで、春季企画展として、「角屋の障子と明かり展」を開催いたします。
そもそも「揚屋」とは、江戸後期の書物『守貞漫稿』によりますと、「揚屋には娼妓を養はず、客至れば太夫を置屋より迎へ饗(もてな)すを業とする也」と記されております。ここに「もてなし」こそが揚屋の業務であることを示しています。江戸中期から、京や大坂の揚屋は大型宴会場に特化していきます。その特徴として、大座敷に面した広庭に必ず茶席を配するとともに、庫裏(くり)と同規模の台所を備えています。また、電気の照明のない代に、夜間のみの営業では、広庭を眺めることはできません。揚屋に広庭が備わることは、昼間から使用する施設であったことを語っています。

室内は昼であっても外光が入らなければ、暗いため、出来るだけ光を採り入れるようにしています。江戸中期から障子は紙の部分を広く取り、障子の下部の板(腰板部分)を狭くするように改変してゆきました。また障子の桟は1本線の格子状で太ければ実用的であるものの、後世になるにつれ徐々に細くなって行きました。「もてなす」場所では、社寺の書院や客殿といった饗宴施設に使われている2本や3本の吹寄せを用いて、装飾的な桟を取り入れていったようです。揚屋は「もてなす」場でありますから、各座敷の障子が1本桟では饗宴の施設としては、室礼(しつらい)の趣が出ません。そこで2本線以上の桟を用いて、書院や客殿の障子に倣ったものと思われます。

角屋の障子は、座敷ごとに2本線、3本線、さらには5本線の吹寄せや立湧(たちわき)などを用いています。こり過ぎたものでなく、約300年を経ても斬新さを失わない「もてなす」ための装飾と考えられます。なかでも角屋で最も斬新な障子の桟は、八景之間の「衽組入子菱組(おくみぐみいれこひしぐみ)」と呼ばれる桟や、桧垣之間の立体的に見える組子にあります。いずれも他に類を見ないもので、角屋オリジナルのものといえます。

ところで、江戸中期の画家司馬江漢(こうかん)は天明8年(1788)に角屋を訪れ、夜の宴会の様子を『江漢西遊日記』という道中記に、「座敷、燭台数十、如昼照す」と記し、室内が昼のように明るかったと強調しています。明るくても蝋燭(ろうそく)は煤(すす)が出るため、襖絵などの室内が煤けて真っ黒になりましたが、転じてこの黒さが室内を明るくしていた証ともいえます。

夜間の照明は蝋燭が主であり、それを灯す器具を燭台と呼んでいます。角屋では、座敷ごとに燭台に趣向を凝らしたものが用いられました。扇之間には扇形の台座の燭台、異国趣味の強い青貝之間には藤巻の三脚形燭台、緞子之間は鎌倉彫の燭台、松之間には真鍮製の燭台などと、各座敷の室礼に合わせています。そのほかに小さい燭台として、膳燭の「仙宗好み」の三足燭台、伊万里焼の染付山水風景文燭台などもあります。

本展では、角屋の障子と燭台などの照明器具からもてなす、座敷の明るさと雅趣を味わっていただこうとするものであります。この機会にぜひともご観覧賜りますようご案内申し上げます。

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