ALLNIGHT HAPS 2016後期 「私がしゃべりすぎるから/私がしゃべりすぎないために」

Art Picks TOPに戻る Art Picks TOP 前のページに戻る Back
ANH2016_press-e1473485683806

開催情報

【作家】
・花岡伸宏  2016年10月1日(土)〜 10月31日(月)
・吉田朝麻  2016年11月8日(火)〜 11月30日(水) *11月19日(土)17:00-「マッスルNTTなどズLIVE」開催!
・對木裕里  2016年12月4日(日)〜 2017年1月4日(水)
・山下耕平  2017年1月12日(木)〜2月12日(日)
【期間】2016年10月1日(土)〜2017年2月12日(日)
【開館時間】:19:00〜10:00(翌日朝)
【料金】無料

http://haps-kyoto.com/allnight-haps-2016-noguchi/

会場

会場名:HAPS オフィス1F
webサイト:http://haps-kyoto.com/
アクセス:〒605-0841 京都市東山区大和大路通五条上る山崎町339
電話番号:075-525-7525
展示時間:19:00〜10:00(翌日朝)
休館日等:-

概要

【企画:厚地朋子】
厚地朋子は1984年京都府生まれ。
2008年 京都市立芸術大学美術学部油画専攻卒業、2010年 京都市立芸術大学大学院修士課程修了。2010年「絵画の庭—ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪)や 2014年「絵画の在りか The Way of Painting」(東京オペラシティアートギャラリー、東京)などグループ展に多数参加。2013年「わたしたちは粒であると同時に波のよう」(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA)や2014年「egØ -「主体」を問い直す-」(punto、京都)などの自主企画展も積極的に企画、参加している。また2015年にはアートブック『辺集』を企画、出版。最新の展覧会は2016年1月の個展「コズミックダンス」(taïmatz、東京)。
現在、京都にて制作、活動中。

企画にあたって
「ALLNIGHT HAPS」の大きな特徴のひとつに、作品と鑑賞者の間に絶対的に立ちはだかるガラス扉の存在があります。鑑賞者が作品に近寄りたくとも許されません。それは何ともはがゆいものです。しかし、実際にALLNIGHT HAPSを鑑賞したときの経験から、これは立体や空間を扱う作品を展示するべきだと思いました。
(本来、様々な角度から鑑賞されるべき作品が一方向からしか鑑賞できず全体が把握できない状況は、王座に君臨する何者かのようで、またコインに描かれた横顔の権力者とどこか似ていると思いました)
ガラスを隔てた作品の在る空間に身体を置けなくとも、視覚は進むことができます。鑑賞者は制約の中で自分の思考と想像力を総動員し作品と向き合います。ものの全てを把握できない状況を積極的かつ肯定的に捉えたい。それは、目で触るかのようであって彫刻を絵画のように見るようでもあります。
高村光太郎は「触覚の世界」で「私にとって此世界は触覚である」と述べています。絵描きである私にとってこのことは非常に新鮮なものでした。私はいささか触覚について無頓着であったと思うのです。そして自分と外界との完全なる分離を改めて認識しました。この展覧会を作るうえで目指したことは、「内側の拡張」と「感覚の総動員」です。見えているものが全てではなく、見ることを通して手触りや音や匂いを感じ、さらにその奥にある何かを必死に感じようとする心と思考のトレーニング、とも言えます。
(個人的な話になりますが、今回、初めて展覧会をキュレーションすることになり、とてもびびっています。やはり自分の日々の制作から切り離して考えることが難しく、結局、自分の絵を考えるように展覧会を考えました。昔、一瞬の気の迷いから立体作品を作ったことがあります。しかし、ある人から「立体作っても結局絵だね」と言われたことがあります。今回の展覧会も「展覧会作っても結局絵だね」となるかもしれません。)

選出理由
手垢や手触りの多い作品を置きたいという欲求がありました。舐め回すように遠くから見つめるだけで、満たされる気持ちと満たされない気持ちの両方をいっきに味わう。夜道に佇んで、想像力という力でガラスを超え、身体の心地よい置いてけぼり感を食らう。そんな風景を思い描いています。
花岡伸宏や對木裕里の作品には手垢や手触りがしっかり残っています。それらは思わず触ってしまいそうになります。山下耕平の作品は、この不自由な自由を楽しむことができる柔らかさがあります。吉田朝麻はさらに音を扱うことができます。音を通して、ガラスを超え鑑賞者と作品が触れ合うことができると考えました。
触覚というものは最も幼稚であり、最も根源的なものであるという高村光太郎の言葉と同時に、私は、いい作品に出会うとどんなメディアであれ触りたくなることを思い出しました。

« Art Picks TOPに戻る « Art Picks TOP