連続講座「文化芸術による共生社会実現のためのアーツマネジメント入門」開催のお知らせ

デザイン:金田金太郎

HAPSは、京都市より 2017年度「文化芸術で人が輝く社会づくりモデル事業」、2018年度「文化芸術による共生社会実現のための基盤づくり事業」を受託し、実施いたしました。この事業は、文化芸術の力を活用して、多様な背景を持つ人々が、共に生きることのできる社会のあり方を探り、その仕組みづくりを目指すものです。昨年度からはそれらの成果を引き継ぎ「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」として事業を展開し始め、今年度で4年目となります。
この度、本事業の一環として「文化芸術による共生社会実現のためのアーツマネジメント入門」と題した全5回の連続講座をオンラインで開催いたします。本講座では、主に福祉の現場でアートを活かした実践に取り組む方々のお話をお伺いし、これからの実践にアートを取り入れていく人々や分野の裾野を広げることを目指しています。

講座概要

社会のなかにアートはどうあるべきなのかが問われています。近年に頻繁に起こる「表現の自由」の問題に加えて新型コロナウィルスの感染状況から、アート活動に対して強いブレーキがかかっているのは否めません。表現者や享受者にとっては不本意な状況と言ってもよいのですが、これを突破するには相当のエネルギーと知恵がいりそうです。さて、本アーツマネジメント入門講座は、そういった課題を視野に入れて、日常とアートの接点を作り出すにはどうしたらいいのか、つまりアートの日常化を本気になって考えている人々をお招きして、インタビュー形式で語っていただきます。 ゲストは、どちらかといえばアートから遠い場所で働かれているのですが、そういうところにこそ普通にアートがあっていいのではないかという思いで活動なさっています。アートがあるからこそ、人の本来性が蘇ったり、新鮮な視点を得たりする。そのような日常が生まれるのなら、アートは生活の中で必要だという共通認識が生まれてくるのではないでしょうか。ゲストの言葉の中から、自分にもできるかもしれないというヒントを多く受け取っていただければ幸いです。

「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」 監修 中川眞

※アーツマネジメントとは
美術館、劇場、コンサートホールなどの文化施設を拠点として、アート(アーティスト)と社会を効果的につないでいく営為のことです。本講座では、高齢者施設をはじめとする福祉施設、病院、被災地、格差地域などといった、これまでアートとは疎遠と思われてきた場所でのアーツマネジメントに焦点をあてて紹介します。

主催:一般社団法人HAPS
 

※すべて参加費無料、要申込み。
1 第1回講座 講師:淡路由紀子(特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづる)
日時:2020年11月12日(木)19:00~20:30
進行:中川眞

特別養護老人ホーム グレイスヴィルまいづるでは、入居者とダンサーの砂連尾理氏による「とつとつダンス」の公演をきっかけに、現在まで施設内でアートプロジェクトが続いています。今回は施設長の淡路由紀子氏にアーティストのみならず、子どもや地域住民、哲学者や文化人類学者など多様な人々が行き来する施設のあり方や、ケアとの接続について伺います。

・グレイスヴィルまいづるについて
京都府北部初のユニット型特養として2005年に開設し、特養、ショート、デイを運営。2009年からは舞鶴市地域包括支援センターに職員を派遣している。2010年からは施設の一部を地域の放課後児童クラブ(学童保育)の開設場所として提供している。「寄り添い、受けとめ、一人ずつと向き合います」をモットーに、介護を必要とする高齢者の背景、一人ひとりの性格やライフスタイルを踏まえ、毎日の気分を尊重したケアの提供に取り組んでいる。

 

2 第2回講座 講師:今井利華(きょうとWAKUWAKU座)
日時:2020年11月26日(木)19:00~20:30
進行:中川眞

きょうとWAKUWAKU座では、精神科・心療内科に通院している方の支援や就労の一環として、演劇などの表現活動を実施しています。2019年には、精神障がいの症状を題材にした演劇自主公演を、メンバー(利用者)や職員が一丸となって作り上げました。理事であり精神保健福祉士の今井利華氏に、その経緯や表現活動を通じたメンバーやスタッフとの関係づくりについて伺います。

・きょうとWAKUWAKU座について
2002年京都市右京区常盤にて共同作業所として始動。2013年度に自立訓練事業(生活訓練)へ移行。2015年には就労継続支援B型事業も加わり多機能事業所となる。2018年劇団「まちプロ一座」の演劇に刺激を受け、自主公演実行委員会を立ち上げる。心の病と付き合いながら、仲間と大道芸等を練習、地域や福祉のイベントで公演活動を行う。当事者である自分たちが伝えるからこそ、伝わるものがあると信じて、実体験から生まれた目に見えないが故に理解されにくい妄想症状や家族との軋轢、社会からの断絶といった苦悩を描いた台本を共同で制作。周囲の理解や環境が整うだけで、病状は回復と安定を図っていくことができるということを、演劇を通して発信している。

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3 第3回講座 講師:花岡伸宏(アーティスト)
日時:2020年12月10日(木)19:00~20:30
進行:藏原藍子(一般社団法人HAPS)

生活に根ざし生み出される表現とはどのようなものでしょうか。アーティストの花岡伸宏氏は福祉施設での勤務や地域住民らとつくるアートプロジェクトなどを行ってきました。他者や他者のつくるものと出会うなかで、改めてものをつくることについて、またそれを通じて生きることや他者とかかわることについて伺います。

※この回ではパソコン要約筆記(話している内容を文字にして映し出します)を行いますので、聞こえにくい方、聞き取りにくい方もご参加いただけます。申込の際に「パソコン要約筆記希望」とお伝えください。

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4 第4回講座 講師:木戸玲子(京都市修徳児童館)
日時:2020年12月17日(木)19:00~20:30
進行:中川眞

京都市修徳児童館では、子どもと地域の高齢者とのお茶会や、商店街のまちあるきの企画などを通じて多世代のつながりを作り、子どものことを語り合えるまちづくりを試みています。館長の木戸玲子氏に、遊びや生活を中心とした文化活動と子どもの支援と共生のまちづくりについて、また活動継続のための工夫について伺います。

・京都市修徳児童館について
京都市下京区で3館目の児童館として修徳小学校跡地(新町通万寿寺)に建設され、2001年に開館。総合福祉施設として、特別養護老人ホームやデイサービスセンターも同じ建物にあり、下京図書館も合築で、横には都市公園も隣接している。総合福祉施設の特徴を生かして、子どもや子育て中の保護者の方、地域の方や高齢者の方々が互いに関わり合いながら暮らせる地域づくりを目指し、遊びという子どもたちにとっての主体的な活動を中心に、異年齢・異世代の交流、活動を通じて”つながり合い育ちあうまちづくり”を目指している。

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5 第5回講座 講師:小笠原邦人(総合福祉施設 東九条のぞみの園)
日時:2021年1月14日(木)19:00~20:30
進行:中川眞

総合福祉施設 東九条のぞみの園では、2018年度に京都市「文化芸術による共生社会実現のための基盤づくり事業」のモデル事業としてアートプロジェクトが行われ、2019年度から現在に至るまで自主事業としてアーティストの山本麻紀子氏との「ノガミッツプロジェクト」が継続しています。施設長の小笠原邦人氏に、高齢者福祉施設でのアートプロジェクト継続の動機となるもの、育まれたアーティスト・職員・利用者・地域との関係性について伺います。

・総合福祉施設 東九条のぞみの園について
1995年に設立された高齢者総合福祉施設。「地域に住宅と高齢者施設を!」という地域住民の強い声を元に、市営住宅と老人ホームを合築した施設が誕生。特別養護老人ホームは京都市の公設民営型老人施設の第1号として建設された。「社会福祉法人カトリック京都司教区カリタス会」が、戦後東九条地域(京都市南区)において展開してきた福祉活動と、京都府下において1972年から特別養護老人ホームを運営してきた実績を背景に京都市から運営を受託。カトリックの理念のもと、地域とのかかわり、地域に住まわれている高齢の方々の生活を支えることに重点を置いて事業を展開している。

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お申込み

各講座の申込みフォーム(Peatix)、Eメール、電話いずれかの方法によりお申込みください。

お申込みの際は、①受講希望の講座回/②氏名(ふりがな)/③電話番号/④メールアドレス/⑤年齢/⑥ご職業/⑦受講動機/⑧今後本事業関連の情報を希望するか/パソコン要約筆記を希望するか(第3回講座のみ)をお伝えください。

Eメール:info@haps-kyoto.com
TEL:075-525-7525

参加方法

本講座はウェブ会議システムZoomを使って行います。Zoomを初めてご利用される方は、パソコン、タブレット、スマートフォン等にアプリケーションを事前にダウンロードしてご参加ください。

Zoom公式サイトのヘルプもご参照ください→
・Zoomヘルプセンター:https://support.zoom.us/hc/ja
・Zoom アプリケーションのダウンロード:https://zoom.us/download
・Zoom ミーティングへの参加方法(動画):https://www.youtube.com/embed/p2x9hh8Vo2k?rel=0&autoplay=1&cc_load_policy=1&cc_lang_pref=ja
・ミーティング接続テスト:https://zoom.us/test
※ 講座中に接続が途切れる場合は、一度退出して再度同じURLから入室すると改善する場合があります。
 

ご参加される皆さまが安心して実りある時間を過ごせるように下記の項目にご協力ください。

・講座の録画や録音、撮影は行わないでください。
・視聴URLは第三者に知らせないでください。参加を希望される方は各自でお申込みをお願いいたします。
・ビデオのオン・オフは自由です(初めの設定ではオフにしています)。マイクはミュートに設定してください。
・質疑応答の際は、講座の内容に関する質問をチャットにご記入ください。その中からいくつかを司会が取り上げてお答えします。
・本講座の様子は、編集の上、HAPSが年度末に発行する事業報告書に掲載予定です。質問内容が掲載される可能性がありますので、ご了承ください(発言者の氏名は公開されません)。

 

「談話室」について

本連続講座とあわせ、Social Work / Art Conferenceによる「談話室」を開催します。

HAPSでは、福祉などの様々な分野で活動する方々とアートの実践をつなぐ新たな相談事業「Social Work/Art Conference(SW/AC)」を始めました。「談話室」では、SW/ACスタッフと一緒に、日々の活動の悩みごとなどを、ざっくばらんに話し合う時間を作りたいと思います。短い時間ですが、どなた様でもどうぞお気軽にご参加ください。

※時間:各講座終了後、20:30〜21:00
※進行:奥山理子・小泉朝未(Social Work / Art Conference)
※自由参加です。参加される方は、各講座終了後そのままZoomミーティングに留まってください。

 

講師プロフィール

●淡路由紀子(あわじ ゆきこ)/特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづる 施設長
1963年生まれ。1982~2003年京都府舞鶴市職員。2003年舞鶴市を退職し、社会福祉法人グレイスまいづるの設立メンバーとなる。2005年特別養護老人ホームグレイスヴィルまいづるの施設長に就任。2009年、舞鶴市のアートプロジェクトでダンサー/砂連尾理氏と出会う。2010年3月に砂連尾理氏とグレイスの入居者による「とつとつダンス」公演が行われたことをきっかけに、グレイスヴィルまいづるにおいて、「シリーズとつとつ」と題したダンス、文化人類学、哲学などのワークショップを始める。2020年新型コロナウイルス感染症への対応を契機に、これからのケアプログラムに取り組み中。
 

●今井利華(いまい りか)/きょうとWAKUWAKU座 理事
龍谷大学にて真宗学を学び、浄土真宗西本願寺派の僧侶となる。自坊の法務を手伝う中で、心の病について深く興味を持つ。心の病を抱えながら生きていく当事者を支援する精神保健福祉士の仕事を知り、資格の勉強のために進学。いくつかの事業所を見学した中で、他にない精神障がい者の表現活動を支援する取り組みとメンバーの明るさに惹かれ、ボランティアとしてきょうとWAKUWAKU座に通い始める。2008年よりスタッフとして関わり、メンバーと共に作成した精神障がいの症状を題材にした演劇自主公演を2019年3月に上演した。
 

●花岡伸宏(はなおか のぶひろ)/アーティスト
1980年広島生まれ。京都府在住。2006年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程修了。近年の主なグループ展に『東アジア文化都市2017 京都「アジア回廊 現代美術展」』(二条城、2017年)、『六本木クロッシング2019展:つないでみる』(森美術館、2019年)、『ユーモアと飛躍 そこにふれる』(岡崎市美術博物館、2013年)、主な個展に『つくるということ』(大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco]、2020年)などがある。「第12回岡本太郎現代芸術賞展」特別賞(2009年)、「2006 JEANS FACTORY ART AWARD」優秀賞。
 

●木戸玲子(きど れいこ)/京都市修徳児童館 館長
1993年より滋賀県大津市の児童館で19年間児童厚生員として勤務。2012年から京都市修徳児童館館長。全国児童厚生員研究協議会理事、京都市児童館学童連盟施設長会副会長などを務め、放課後児童支援員研修、児童厚生員研修等の講師を持つ。児童館と地域との協働の活動展開から、遊びを通して子どもや子育て世代と地域のつながりを育てながら、子どものことを語り合えるまちづくりに取り組んでいる。

 

●小笠原邦人(おがさわら くにと)/総合福祉施設 東九条のぞみの園 施設長
大学卒業後、一般企業に就職するが、1994年より特別養護老人ホームのアルバイト職員として介護福祉の世界に入る。約5年間、介護職員としてケアワークを実践した後、老人保健施設の支援相談員や在宅介護支援センターの相談員を経て、2006年に東九条のぞみの園に入職。東九条のぞみの園では、地域包括支援センターで主任ケアマネージャー・社会福祉士を担い、2014年より同施設長に就任する。
 

お問合せ

一般社団法人HAPS
Eメール:info[@]haps-kyoto.com / TEL:075-525-7525 / FAX:075-525-7522

 

参考

京都市「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」について
文化芸術による共生社会の実現に向け、福祉施設等が文化芸術の取組に着手しようとする際の相談窓口の設置、運営など、文化芸術の力により、社会課題や困難の緩和につなげ、共生社会を実現するための基盤づくりに本格的に取り組む。

これまでのHAPSの取り組みはこちらからご覧ください:
・連続講座「共生社会実現のためのアーツマネジメント入門」http://haps-kyoto.com/am_2018/
・ノガミッツ プロジェクト http://haps-kyoto.com/nogamittsu/
・展覧会 山本麻紀子「いつかの話 あの人の風」http://haps-kyoto.com/stories_breathoflife2019/
・「東九条こどもご近所映画祭」http://haps-kyoto.com/higashikujo_eiga2019/

中川眞(なかがわ しん)氏について
大阪市立大学都市研究プラザ特任教授。アジアの民族音楽、サウンドスケープ、アーツマネジメントについて研究する。著書『平安京 音の宇宙』でサントリー学芸賞、京都音楽賞、小泉文夫音楽賞、現代音楽の活動で京都府文化賞、アーツマネジメントの成果で日本都市計画家協会賞特別賞(共同)を受賞。「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」及び本講座について監修いただいている。

 

Social Work / Art Conference(SW/AC)について


 
アートとともにわたしたちの豊かさを交換する

少子高齢化の進展、貧困世帯の増大、ジェンダー格差、障害を持つ人々の社会参加など現代社会は様々な課題や困難を抱えています。社会を覆う閉塞感を感じ取ったアーティストや彼ら/彼女らを支える実務家たちは現場に向かい、美術や演劇、音楽などの表現を通して関わった人や場の可能性を引き出してきました。それは同時に、社会とアートの関係性を見直すことにつながり、アート領域の拡張を予感させます。
これまでHAPSは、京都市の計画に基づき、「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」を通して、アートをきっかけに様々な立場の人が関わり合う共生社会を実現するための取り組みを実施してきました。しかし、こうしたアー卜の取り組みの認知度は低く、また知っていたとしても十分な経験の共有や分析を得ずに終わってしまうことも少なくありません。
そうした状況を踏まえ、HAPSでは従来の相談事業を拡張させた、「Social Work / Art Conference」を新たに始めます。私たちは、人間の尊厳や価値を擁護する「Social Work」 の理念と、社会に対し刺激的に問いを投げかける「Art」とを結びつけることで、多様な意見を交換し合える「Conference」の場を作っていきます。相談に来られた方々がアー卜や表現の意味を深く感じ、社会へとよりひらかれた活動を行なっていくためのサポートを提供します。
そして人々、もの、場、組織、さらには思考に至るまで、広くその関わりを促すことで、それらの相互作用の質が高まり、より豊かな社会活動の実践と日常の営みが実現される未来を目指します。

http://haps-kyoto.com/swac




助成: